DIYでアルマイト処理に挑戦 その2

Don West

2019年10月27日 12:48

さて、希硫酸にパーツを浸し通電したら、後は30分間待つだけです。今の時期だからか液温は20℃前後で安定していました。パーツが多かったりすると流れる電流が大きく液温も上がるため保冷剤で冷やす必要もあるみたいです。

この工程でアルミの表面が酸化して顕微鏡レベルの穴が開くそうです。次の染色工程でその穴に染料を入れ、封孔工程で穴を塞ぐといつのがアルマイト処理の原理です。

通電している30分の間に次の工程の準備です。ただし時々は液温のチェックを忘れずに。

アルマイトの鍋ふたつに精製水を入れ、それぞれ染料と封孔剤を入れます。液量はパーツが完全に浸るくらい、今回は小さめの鍋に精製水500mLでパーツが浸りました。精製水でなくても水道水でも良いみたいですが、精製水はバッテリー補充液として安価で売っていますので使ってみました。

染料は5g/500mL、封孔剤は2.5g/500mLです。





染色は50℃±5℃で15分間、黒の場合は20分がおすすめとありました。通電を始めて15分を過ぎた頃から、大きめのフライパンで湯煎して鍋を温めておきます。
通電して30分過ぎたら希硫酸の槽から速やかに水道水を張ったタッパーにパーツを移し流水で洗います。
まだ酸化被膜が不安定なのでなるべく空気に曝さず速やかに洗い、染料に浸します。アルミ線は付けたまま、パーツには触れてはいけません。

ちょっと染まり具合を確認。何かエンドキャップの染まりが悪いみたいな…
因みに最初の1分で染め上がりの半分くらいの色が着くそうです。


時々コンロの火を付け50℃前後を維持しますが、湯煎しているので15分経過した頃にはコンロから下ろしても最後まで50℃を維持出来ました。代わりに封孔液の鍋を乗せ強火で90℃まで加熱しておきます。

染色液に漬けて20分が経過したら水道水を入れたタッパーに移して流水で洗います。ここもなるべく空気に触れさせず速やかに。

そして90℃に加熱した封孔液に浸します。

封孔処理はコンロの火力を調節しながら90℃以上沸騰未満を維持して15分です。
その後は水道水で洗い流してアルミ線を外し完成です。


ひとつめのエンドキャップ。しっかり染まっていますががっつり艶消し。アルマイト処理前の状態がそのまま仕上がりになるそうで、コンパウンドで少し磨いたほうが良かったようです。

一方でリングはバッチリ。染まり具合も文句なく、艶も良い具合です。

ふたつめのエンドキャップはやっぱり染まりが悪いです。薄っすらとセピア色。ムラはないので脱脂や洗浄が悪かった訳ではなく通電が悪かったのだと思います。接点をしっかり取れなかったのが原因かと。

こちらのリングはローレットの所に点々と染まっていない部分が。洗浄不十分か白アルマイト剥離の不十分でしょうか?それとも封孔処理前に鍋に擦ったとかでアルマイト層が剥離したとか?


ミスもありましたが、初めてにしては良い仕上がりだったと思います。
通電不良のエンドキャップは接点の付け方を再検討してやり直しですね。下地も少しコンパウンドかけして艶を出してみます。
ついでに染まっていない部分のあったリングもやり直してみます。

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