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2025年02月01日

YAMAHA 最安?アコギ

訳あって我が家にヤマハのアコースティックギターがやってきました。

1980年代、中学生の時に初めて買ってもらったのがヤマハのFG350D。ボディサイズはヤマハで言うところのトラッド・ウエスタン、つまりDreadnought。何故かその後Dreadnoughtのアコギとは縁がありませんでした。

因みに船好きの人にとってはDreadnoughtってのが気になるところです。1900年代初頭のイギリスの戦艦の艦名です。いまだに使われるド級とはこのドレッドノートのドなんですね。

話が逸れましたが、このギターはF351Dというギターです。何だか初めてのアコギと似たモデル番号です。
カタログモデルではなく某楽器店のオーダーモデルなんですね。おそらくパーラーギターを除いた通常サイズのアコギではヤマハ最安モデルではないかと。なんとソフトケース付きで19,800円です!
FGではなくFというシリーズは知りませんでした。FGの下位シリーズになるのでしょうか?ピックガードはサウンドホールの上方まで伸びて指板に接するヤマハタイプ。個人的にはMartin風のよりこちらの方が好みです。

サウンドホールに取り付けてあるピックアップは後付けです。

ソフトケースは小さく畳まれて届きました。これでアコギが入るの!?エレキでもキツくね?と思いましたが、ちゃんと入ってくれました。





インドネシア製でスプルーストップ。サイド・バックはメランティという初めて聞く材です。ネックはナトー、指板・ブリッジはローズウッド、ナット・サドルはユリア樹脂。この辺りは定番スペックですね。ピックガードはブラック。


ペグは豪華なゴールドです。最近の安価なギターではペグのブッシュが樹脂だったりするようです。このギターはブッシュもゴールドで見た目では樹脂かどうか判別できませんが、樹脂っぽいかな。

写真を見て気付きましたが、ペグの取り付け角度が揃ってませんね。真ん中辺りのシミみたいなのは脂ぎった指先で触れた跡です(笑)


開封するとなんとも懐かしい匂いがします。塗料なのか接着剤なのか、はたまた木材の匂いも混じったような。初めてのギターも同じ匂いがしていました。懐かしいです。

ネック幅43mm、スケールはヤマハのアコギでよくある634mm、所謂ミドルスケールです。薄めのネックと相まってかなりコンパクトに感じます。弦高は12Fで6弦2.75mm、1弦1.75mm、ローポジションからハイポジションまでビビりなし。セーハも非常にやりやすく、しっかり調整されています。スケールのせいか弦のテンションも緩めで、非常に弾きやすいです。指が太いので個人的にはもう少しネック幅があった方が良いのですが最近のギターは細いのが多いですね。
弦は何が張ってあるのか不明ですが、ヤマハでは入門用の廉価ギターにもFS50BTかD'AddarioのEXP11というブロンズのコート弦(ワウンド弦のみ)のライトゲージが張ってあるようです。EXP11は廃盤になってますが。ただ、このギターはフィンガーノイズが豪快なんです。ノンコートなのかな?テンションも触感も音もナチュラルです。


ボディ形状はヤマハ伝統のFGシェイプ、トラッド・ウエスタンですが、先のFG350Dに比べると少しコンパクトな感じで非常に取り回しがしやすいです。そして軽い!恐らくトップもサイド・バックも合板だと思いますが、驚くほど軽いんです。合板は単板より剛性面で安心できます。合板でこの音とこの軽さ、良いですね。塗装は木目が浮いていたりするのでシーラーも含めて薄めなんでしょう。

ボディは軽量コンパクトとはいえ容量はそこそこあるためか鳴りが良いです。そして中々良い音。メランティというボディ材は初めて知ったのですが、ラワンに似た南洋材みたいですね。音はマホガニーに似た傾向で乾いた甘い音質でレスポンスが良いんです。弾いていて実に気持ち良いです。
これは練習用だけでは勿体ない良い音。昔、大学生のころはヤマハとはいえFGやFSの廉価モデルは鳴りも音質も今ひとつでしたが、それとは雲泥の違いです。

この出来でこの安さ。何処かに落とし穴があるのかなと観察してみました。

先ずボディのバインディング。これは表裏とも黒いペイントですね。これでは当て傷からボディを守るというバインディングの役目は果たせません。ネック際やヒール部などは雑に塗られています。接着剤のはみ出しもありますね。


トップとバックの塗装は綺麗なんですが、1弦側ショルダー部のサイドに細かい線傷が目立ちます。点状に塗装が盛り上がった所があり、それを修正しようとしたのでしょうか?そして、よく見るとボディとの接合部である14Fを境にハイポジション側の指板サイドは塗装を剥がしているみたいです。ローポジション側の指板サイドと色合いの違いが目立ちます。


ヘッドは面取りが甘く素人がヤスリで削った様な角があります。その面にはルーターのチップ痕なのか打痕なのか傷があります。傷を目立たなくするために面取りをしなおしたのかな?レギュラーモデルの検品落ちを修整、流用していたりして。


ただ、指板、フレット、ネック、ブリッジ、サドル、ナット等機能に関係するところは全く問題なくしっかり仕上がっています。

実はAmazonに出ている中華製安価ギターと迷っていたんです。ボディデザインなどちょっと魅力的なのがあったんですね。ただ、中華製の場合は現物を見ないで購入するのはかなり冒険ですよね。いくら安価でも大きなゴミになったら処分するのも大変ですし。その点、ヤマハなら最安モデルでも安心だろうと。

ま、仕上げに関してはどうしたヤマハ!?的な甘さがありますが、演奏や音に関わる基本的なところはしっかりしており、音も普通に良いんです。この辺りはさすがヤマハと感心させられました。こちらにして大正解でした。

現在はヤマハも多くのモデルがアジア製造みたいです。果たして仕上げの出来が満足できるレベルになるのはどの辺りの価格帯からなんでしょうか。気になりますね。  


Posted by Don West at 18:55Comments(0)